(備忘録)旧中仙道徒歩の旅−2(ステージ2鵜沼宿から京三条大橋へ)

江戸日本橋への行程がまだ終わってないが、わけあって西、京都三条大橋への旅を平行させることになった。


【2005-3-29 鵜沼宿各務原市民公園(同行2人)】
再び鵜沼駅前に駐車して、西へ向かう。苧ヶ瀬までは比較的静かな街道歩きだった。苧ヶ瀬からはガイドブックも国道21を歩いている。車を避けて適当に裏道を歩く。5年半通ったI工業の横を通り、遅番の時、夜食を喰いに通った中華料理屋の前を通り名鉄三柿野駅へ。5年半通り抜けた改札の前のベンチでおにぎりを喰った。
旧街道は国道から外れるが車は多い。各務原市民公園に着き、ここでこの日の行程を打ち切った。名鉄電車で鵜沼に戻る。【写真右:鵜沼羽場公園での休息】

【2005-10-9 各務原市民公園〜岐阜駅(同行一人)】
公園の市営駐車場に車を入れ出発。体の調子は今ひとつ。相棒も久しぶりの歩行だからどこまで持つか分からない。のんびり歩くことにして、那珂橋を渡り、寂れた裏通りという感じの街中を歩き始めた。まだ暑い感じの秋の陽に汗がにじむ。新加納立場でやっと中山道のモニュメントに出会った。休んで弁当を食べたいが適当なところが見つからず探しながら歩く。
国道156を横断すると旧街道の雰囲気も出始めた。細畑の一里塚は住宅街の中に残っていた。その先で「左笠松 右京道」とかかれた石柱のある細畑の追分に出た。名鉄の踏切をわたると「加納宿」の石柱あり。複雑に屈曲する街道を辿り岐阜駅に出た。【写真右:細畑の追分】






2005-10-13 岐阜駅〜大垣駅(同行2人)】
JR岐阜駅前の駐車場に車を入れて加納宿へ入る。宿場通りは幹線道路を離れているので落ち着いて歩くことができた。鏡島観音で一休み。長良川には県営の渡し場があることは知っていたが、時間節約のため河渡橋を渡った。橋の上から渡し場がよく見えた。実は中仙道を歩くもう一人の旅人が渡し舟の上から我々を見ていたらしい。その人に美江寺観音で追いつかれ、話を聞かされた。
よく実った稲穂を眺めながら県道92をひたすら西へ。樽見鉄道の線路を横切ると美江寺宿だ。昔の雰囲気が残っている美江寺宿を出て揖斐川に向かう。田園地帯を斜めに真直ぐ揖斐川に向かう道が中山道なのだが、十字路や分岐に標識があるわけではないので、事前に調べておかないと分からないかもしれない。揖斐川を渡り、夕暮れの陽を浴びて西赤坂で一休み。平野井川を渡り、坂下から大垣駅を目指した。【写真上:美江寺宿へ2km 河渡宿へ2km】



【2005-10-20 大垣駅関ヶ原宿(同行一人)】
平野井川にかかる橋の袂に車をデポする。よく晴れた青空が嬉しい。すでに正午近くだったが気持ちよく歩き出した。中山道は幹線道路を外れているので静かだった。近鉄養老線の踏切を渡り、赤坂宿へ向かう。よく整備された赤坂港跡で、かみさんの作ってくれたおにぎりと卵焼きを喰った。
赤坂宿から垂井宿へ。遅れ気味だった相棒も離れずに着いてきた。垂井駅前で休憩。相棒が歩けるというので関ヶ原まで行くことにする。宿場町の面影が濃厚に残る垂井宿にはすでに夕方の気配が漂っていた。垂井の一里塚は立派だった。国道21を横断してしばらく行くと豊かな松並木の街道となった。風情のある旧道はやがて国道21に吸収される。車とともにしばらく歩き関ヶ原駅へ。JRで大垣に戻り、タクシーで車のデポ地に戻った。【写真右:赤坂港跡常夜灯】








【2005-10-25 関ヶ原宿〜醒ヶ井宿】
関ヶ原古戦場の一角に車をデポし、古い町並みをいく。関が原宿の外れに不破の関跡がある。その三叉路に東屋風の立派な休憩施設ができていた。JRの線路沿いに歩き、小さな峠を越すと今須宿だった。昔の面影を残した静かな宿場町だった。柏原宿へ出る前に、楓の古木が並木をなしているところがあり、紅葉の季節にはさぞかしと思われた。
途中、民家で柿をもらった。柿で重くなったザックを背負い醒ヶ井宿へ。地蔵川を流れる湧き水の清冷さに見とれる。流れに揺れるバイカモに見とれつつ醒ヶ井駅に向かった。【写真上左:楓並木 上右:レトロな醒ヶ井郵便局】


【2005-10-30 醒ヶ井宿〜高宮宿(単独)】
京へ向かう旅は一人では歩きたくなかったが、相棒の気分がすぐれずやむを得ず一人旅となった。駅前駐車場に車を入れ出発。よく晴れた秋空が嬉しい。米原JCTの高架を潜ると番場の宿だ。ここで十数人の自転車団体に会った。楽しそうだった。蓮華寺へ寄る。番場の忠太郎の墓が見たかったが、入場料がいると言うのでトイレだけ借りて失礼した。
擂鉢峠を越えて鳥居本宿までは静かな街道歩きを楽しむことができた。その先彦根ICの高架を過ぎると、歩道もない通行量の多い車道歩きが続くなど、歩く環境ではなかった。高宮駅で打ち切る。高宮駅から近江鉄道彦根へ出、JRで醒ヶ井に戻った。【写真:擂鉢峠】


【2005-11-7 高宮宿〜武佐宿(同行一人】
高宮駅前に狭い駐車スペースがあった。駅員氏に断って車をおき、高宮宿の街道に出る。今日もよい天気だ。青空が嬉しい。犬上川を「無賃橋」で渡り高宮宿を後にした。橋の上から北部鈴鹿の山並みがよく見えるが、滋賀県側からでは山の特定が難しい。
街道筋は車も少なく歩く環境は悪くなかった。トイレを借りるつもりで入った「先人を偲ぶ館」では当番の老人から接待を受けてしまった。豊郷小学校の旧校舎は風格があった。伊藤忠兵衛の生家は無料開放されていた。

やがて「愛知川宿」のアーケードに迎えられた。14:25近江鉄道五箇荘駅に着く。相棒が「まだ歩ける」と言うので武佐宿まで行くことにする。秋の日はつるべ落としだ。武佐宿に着いたころは薄暗くなっていた。人通りのない街道筋を足を引きずっていくと、無人武佐駅に着いた。
やがて来た近江鉄道に乗り込み八日市で乗り換え。ホームで電車を待つ間寒さが身に沁みてきた。
【写真右:高宮宿無賃橋】







2005-11-20 武佐宿〜野洲駅{同行一人】
武佐駅前の空き地に車をデポして歩き出したのが11:20。ずいぶん遅い出発だ。明るい時間はあと5時間もない。この時点で草津宿までの予定は変更。行けるところまで行くことにした。武佐宿を出ると、いきなり歩道もない国道歩きとなった。国道8は車が途切れることもなく歩く環境ではない。生活道路に逃げるたびに胸をなでおろした。
休んで食事ができるところを探しながら歩いた。道の駅「竜王鏡の里」は大勢の団体客で混雑し、スピーカーから大音響で音楽が流れてきた。耳が壊れそうで退却。やっと国道下の畦道に静かな場所を見つけた。
法善寺辺りで国道歩きから開放された。所々古い家並みが残る中16:00野洲駅に到着。JRで近江八幡に戻り。近江鉄道武佐駅に戻った。
【写真右:国道下の畦道で、影法師が二つあっても寂しい時がある】




【2005-11-26 野洲駅〜瀬田駅(同行一人)】
野洲駅を10:55出発。駅前通は賑やかだが、一歩街道筋に入ればここも静かだった。野洲川を渡り守山宿へ入る。
宿場街を貫く街道は県道2号となっているが、道幅は狭く車の通行も少ない。古い家並みも多く宿場街の面影をよく残していた。そんな宿場街にある神社の境内でおにぎりを食い一休み。
JR線路を陸橋で渡り草津宿へ向かう。狭い路地を車が行き交い賑やかだ。旧街道はそのままアーケードの商店街となり、天井川のトンネルを潜ると、そこが東海道中山道との追分になっていた。草津市は宿場街を観光スポットとして売りだしているのだろう、本陣跡には人並みが絶えなかった。そのまま瀬田駅まで歩き今回の旅を締めくくった。【写真上右:野洲川橋 上左:東海道との追分】


【2005-12-8 瀬田駅〜大津宿(同行一人)】
瀬田の駅前通から旧中仙道に入ると静かな住宅街になった。1時間ほどで瀬田の唐橋へ着く。自転車で何回も渡った橋を今度は徒歩で渡る。橋を渡り石山商店街の雑踏の中を歩いた。やがて落ち着きのある膳所の街中を歩くことになる。狭い街道の向こうに雪を被った比良の山並みが輝いていた。
ゆっくり休むところもないので湖畔のサンシャインビーチへ出た。この辺りは自転車でよく走っているので地理に不安はなかった。比叡の山を背後に大津プリンスホテルの存在感が圧倒的だった。休憩後大津宿へ。すぐ横を走る幹線道路は車の洪水だが、街道筋は静かだった。その狭い街道の向こうには、今度は山科の山が控えていた。【写真上:大津プリンスホテル


2005-12-18 大津宿〜京都三条大橋(同行2人)】
西への最後の行程は家族3人で歩くことにして、朝に弱い相棒のために大津駅前のビジネスホテル「湖月」を利用した。夕食のため駅前通に出てびっくりした。輝くネオンはサラ金のものばかりだった。
夜のうちに雪が降った。積雪5cm程度。山科へ出るまでは坂道が多く、足を取られないように注意して歩く。雪のため国道を走る車の通行量が少なくありがたかった。追分の先の立体交差のところでどこへ行ったらよいか分からずしばらくウロウロした。

竹鼻の通りに出て、延命地蔵様の前で一休み。「幸せの椅子」と書かれた椅子で休憩。しばらく静かな道が続いたが、それも亀水不動まで。すぐに車の多い幹線道路となり、やがて三条大通りに出た。三条大橋まで、京都観光のおのぼりさんよろしくキョロキョロしながら三条大橋へ。
三条大橋へ着いたとき、再び雪が激しく降って来た。橋の上は人並みが絶えなかった。托鉢の坊さんが一人、行き交う人々に喜捨を呼びかけている。相棒2人にその横へ行ってもらい記念撮影。西への旅が終わった。
その後、鴨川の遊歩道を、四条大橋五条大橋七条大橋へと歩き京都駅へ。川面では白い都鳥に混じって、数多くの水鳥が乱舞していた。【写真右上:延命地蔵にて 右下:三条大橋