2009年12月6日 旧東海道探訪桑名宿〜関宿

旧街道を走るメリットは車に煩わされることが少なく静かな走りを楽しめることにある。美濃地方の山からも雪の便りが聞こえてくるし寒い季節はあまり山間部は行かないようにしよう、ということで数年前に歩いた旧東海道を桑名から西の方へ走ることにした。鈴鹿峠を越えて目標は草津まで。帰りは輪行の計画。桑名市の九華公園へ車をデポするが駐車場が17:00で閉鎖されることを知る。この時点で草津までは断念。JRの本数が少ないうえに乗り継ぎの便が悪すぎる。行けるとこまで行こうと走り始めたが桑名市街でもう旧街道が分からず右往左往。市街地は信号待ちも多くぜんぜん進まない。
やっと矢田の立場へたどり着く。
立場とは”宿場と宿場の中間にあって旅人が中継する茶店などが集まっているところ(案内板より)”だそうだ。

ここからしばらく順調に進むが富田駅付近でまたどっちへ行ったらいいか分からなくなる。通りがかったご婦人にお聞きしても”旧街道?そんなもの聞いたこともないわ”という返事。ウロウロして時間ばかり過ぎるので国道1号線へ出て四日市へ。レーシングスーツに身を固めた若者が一人すごいスピードで走り抜けて行った。頻尿気味の「シゲさん」はさっきから尿意を催している。海蔵川の川べりに草むらを見つけた「シゲさん」はそこで一息ついた。日曜日のせいかコンビナートの煙も少なく北寄りの季節風も強かったので空気は澄んでいた。おかげでなかなか前へ進まない。

次の目標は杖衝坂(弘法大師?が杖をついて歩いた坂として言い伝えあり)だが道路が入り組んでいてどっちか分からない。子連れの奥さんに尋ねたら、にっこり笑って少し離れた小高い森を指差し「あそこですよ」と言う。やっと辿りついた杖衝坂は斜度15%前後の激坂であっさり自転車を降りる。

石薬師宿を目指してしばらく国道1号を走るが旧街道の入り口が分からない。間違えては1号線に戻ることの繰り返しだ。選択物を干していたご婦人が丁寧に教えてくれた後「ご案内しましょうか」と言われ「シゲさん」は恐縮してしまった。
薬師寺へ参拝する。もう一つの目的はトイレだ。”このトイレは公衆トイレではありません。参拝者のためのトイレです”と書かれてあったがさっきお賽銭を10円入れていたので安心して用を足した。

亀山市街も旧街道がよく分からないが道路が色別されてくるともう迷うことはなかった。鈴鹿川べりを走る。鈴鹿颪をもろに受けよたよたと走り関宿へ着いた。寒いせいか観光客もまばらだ。関駅へ着いたら亀山方面へ車両が出て行くとこだった。駅内にある喫茶店の姐さんが「次までここで時間をつぶしなさい」と勧めるが亀山での車両の連絡が悪く17:00までに駐車場に帰れない。亀山駅まで自転車で戻ることにする。今度は強い季節風を背に受け「シゲさん」は国道1号から幹線道路(国道1号旧道)をぶっ飛ばした。この日は走行距離が60kmに満たず「シゲさん」にはまだ力が残っていた。