2009年12月20日 旧東海道探訪


やっと冬らしくなってきた。こんな日は縁側で日向ぼっこするのが「シゲさん」の年齢にふさわしい?しかし知らない土地を訪ねることに楽しみを見出している「シゲさん」にとって用事がない好天の休日は自転車を休むなんてとんでもない。超「遅れて来た自転車乗りシゲさん」は時間の許す限り走り続けるのだ。と、いうわけで今回は浜名湖弁天島から。富士山の見えるところまでは行きたいと思いつつ強風でさざ波が立つなか、鳥居に見送られて出発。浜松宿界隈は車の往来が激しいのでパスして舞阪宿から県道316号を真直ぐ東へ天竜川へ向かう。これが車の少ない静かなロードで天竜川まで楽しく走る。天竜川左岸を磐田宿へ向かうが強風で吹き飛ばされそうになりながらの走行だ。車の往来が激しかったら危険でとても走る環境にはなかった。

JR磐田駅前にJリーグジュビロ磐田のマスコットがあったので早速記念撮影。駅前大通りは「ジュビロロード」といわれているらしいが駅前のマスコット以外に記憶に残るものはなかった。袋井宿、掛川宿、日坂宿と丹念に旧街道を辿る。「シゲさん」はツーリングするときに1/10万のロードマップを必要な部分だけ持って行くが、数年前に旧東海道を歩いているのでそのときの記憶が大いに役立つ。それでも旧街道を見失うことがある。そんな時は「街道の匂い」が頼りだ。「シゲさん」は昨年、松尾出版から出された「飛騨街道」の著者松尾氏にお会いした。「街道の匂い」とはそのときの松尾氏の言葉だ。”松尾さんうまいことを言うなぁ”と思いながらペダルを漕いで牧之原台地の入り口に来た。

日坂宿から牧之原台地に入るのが旧東海道のルートだが標識・案内の類は一切無い。こちら側から街道を歩く人は戸惑うと思う。
取り付きは15%はあるんじゃないかと思われる激坂だ。「シゲさん」は最初からあきらめて自転車を降りた。しばらく歩くと傾斜が緩くなる。台地の上に出たらしい。ここからが今回のメーンエベントだ。どこまでも続く茶畑の中を登ったり下ったりする。見晴らしも最高。富士山は・・・・ 富士山は見えない。
半ば諦めながら夕闇迫る牧之原台地を走っていくと・・・・

突然、まったく突然目の前に富士山が現れた。牧之原台地の横断も終わり、これから金谷宿に向かって急降下しようという矢先に富士山が現れた。何が何でもカメラにと思うが、デジカメの角度の微妙な違いで富士山の影(姿)が全く写らない。寒さに震えながらやっと写した写真がこれ。気がつけば足元の水溜りも凍っている。JR金谷駅に向かって激坂を下る。耳がちぎれるように痛い。朝方耳当てを付けていたのだが暑くなったので外して首にかけておいたのが知らぬ間に落としたらしい。日没寸前に金谷駅到着。今日も何人かに親切に道を教えてもらった。台地から一度降りた間の宿菊川で会ったおばさんは「シゲさん」が間違いなく登っていくか見守っていてくれた。
牧之原台地は素敵だ。「シゲさん」はこの広い台地のほんの一角を掠めただけだ。また新しい目標ができたようだ。