大旅行

近頃寒い日が続く。風花がよく舞うようになってきた・・・・・・。
と、思っていたらそれは風花ではなく、タンポポの胞子だった。タンポポはその分身をいっせいに大空に放ったのであった。
それにしても多い。まるで乱舞するように空中を浮遊している。こんなに空一杯胞子が浮遊するのを見た記憶がない。


屋根に積もったタンポポの分身たち。
強い北風でかなり飛ばされているから実際はこの何倍かの胞子が降り立ったに違いない。
ベランダに干した布団をしまう時も大変。
はたいてはしまうのだが全てを取りきれるものではない。
寝ているうちに布団にタンポポが花開くかもしれない。
てな阿保なことを考えながらもっとよく見てみる。



おまえさんたちはこんなとこに降り立ったって芽をふくことができない。
でも、庭にも同じように降り積もっているはずだから、
春になったら今度は地上でタンポポの乱舞が見えるかも。
そしたらお浸しにして喰おう。タンポポのお浸しって聞いたことがあるぞ。
またひとつ楽しみが増えた。
で、暇だから、
もうちょっと余分なことを考えた。
この辺りでタンポポの群落なんて見たことがない。
こいつらはどこから飛んできたんだろう。
ひょっとすると、東北の地に子孫を残すのを、タンポポのDNAが嫌ってこの地方まで飛んできたんじゃないか。か弱い蝶だって海を越すのだ。胞子が風に乗れば数百キロなんて簡単に飛ぶだろう。人間だって逃げ出すことができる人は逃げているんだから。
これは意外と阿保な話じゃないかもしれない。胞子に聞いて見なければ分からないが・・・・・